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蕁麻疹

蕁麻疹について

蕁麻疹は、皮膚の一部が突然赤く腫れ上がり、強いかゆみを伴う身近な皮膚疾患です。蚊に刺されたような膨らみや、地図のように広がる赤い斑点など、症状の現れ方は人によって異なります。多くの場合、数時間から長くても一日以内で跡形もなく消えてしまいますが、症状が繰り返し現れたり、慢性化して長期間かゆみに悩まされるケースも少なくありません。
一般的な皮膚の腫れだけでなく、まぶたや唇が大きく腫れ上がる血管性浮腫という症状を伴うこともあります。時には腸管がむくんで激しい腹痛を引き起こしたり、気道が腫れて呼吸が苦しくなったりするなど、放置すると非常に危険な状態に陥る可能性もあるため、決して軽視できない疾患です。
発症の原因は非常に多岐にわたります。特定の食べ物や薬に対するアレルギー反応をはじめ、日々のストレスや肉体的な疲労、ウイルス感染などが引き金になることもあります。年齢を問わず誰にでも起こり得る病気ですが、もともとアレルギー体質の方やアトピー性皮膚炎の経験がある方は特に発症しやすい傾向があります。
当院では、患者様の生活背景を丁寧にお伺いする問診や必要な検査を通じて原因を探り、お一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案いたします。つらいかゆみや突然の腫れに不安を感じた際は、決して我慢せずにいつでもご相談ください。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹の原因は非常に多岐にわたり、実は明確な原因を特定できないケースも少なくありません。ここでは、代表的な蕁麻疹の種類とその特徴について分かりやすくご説明いたします。

特発性蕁麻疹(とくはつせいじんましん)

特定の原因物質が見当たらないにもかかわらず、自発的に現れるタイプの蕁麻疹です。実は、患者様が悩まれる蕁麻疹の大部分がこの特発性に分類されます。直接的な原因は特定できませんが、日々のストレスや過労、感染症などが発症の引き金になることが多いと考えられています。毎日のように症状が現れ、数十分から数時間で消えるのが一般的ですが、発症から6週間以内のものを「急性」、それ以上長引くものを「慢性」と呼びます。特にお子様の場合、風邪を引いた後に急性の蕁麻疹が出ることがよくあります。

アレルギー性蕁麻疹

特定の物質(アレルゲン)に対して体が過敏に反応することで起こる蕁麻疹です。原因物質に触れたり食べたりしてから、およそ1〜2時間以内に発症することが多いのが特徴です。重症化すると呼吸困難などを伴うアナフィラキシーショックを引き起こす危険性もあるため注意が必要です。主な原因としては、卵、牛乳、小麦、甲殻類などの食べ物や、抗生物質などの薬物、蜂などの虫刺され、動物の毛、植物などが挙げられます。

非アレルギー性蕁麻疹

アレルギー反応(IgE抗体)とは異なるメカニズムで起こる蕁麻疹です。アスピリンなどの一部の鎮痛剤や検査で使われる造影剤のほか、サバやタケノコといった特定の食品を摂取した際の成分刺激が原因となって発症することがあります。

物理性・コリン性蕁麻疹

皮膚への直接的な刺激や環境の変化によって引き起こされるタイプです。下着の締め付けなどの圧迫、寒暖差、日光、水などの物理的な刺激によるものを「物理性蕁麻疹」と呼びます。また、運動や入浴、緊張などで汗をかいた際の刺激によって現れるものを「コリン性蕁麻疹」といい、数ミリ程度の小さな膨らみとピリピリとした痛みを伴うのが特徴で、お子様から30代前半の若い世代によく見られます。

血管性浮腫(けっかんせいふしゅ)

皮膚の深い部分や粘膜が急激に腫れ上がる特殊なタイプの蕁麻疹です。まぶたや唇が突然大きく腫れるのが特徴で、万が一気道(空気の通り道)が腫れてしまうと窒息の恐れがあるため、迅速な対応が必要です。これには、原因が不明なものから、外部からの刺激によるもの、遺伝性のものまで様々な種類が存在します。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹の治療は、原因の特定と症状の程度に合わせたアプローチが基本となります。原因がはっきりと分からないケースも多い疾患ですが、そのような場合でもお薬で症状をコントロールする「対症療法」が非常に有効ですのでご安心ください。
当院で行っている主な治療法や生活指導は以下の通りです。

薬物療法(内服薬・外用薬)

抗ヒスタミン薬(飲み薬)

蕁麻疹治療のベースとなるお薬です。近年は開発が進み、眠気が出にくいものや効果が長く続くものなど、ライフスタイルに合わせて選びやすくなりました。1種類で効果が不十分な場合は、診察で丁寧にお話を伺いながら、別のお薬を追加・増量するなど、お一人おひとりにぴったりの処方へと調整していきます。

外用薬(塗り薬)と冷却ケア

蕁麻疹に対しては塗り薬単独での劇的な効果は期待しにくいですが、かゆみを和らげる「レスタミンコーワ軟膏」などを使用することがあります。また、かきむしって湿疹になってしまった皮膚にはステロイド外用薬を処方し、肌の炎症を鎮めます。なお、寒冷蕁麻疹を除いては、かゆみが強い部分を保冷剤などで冷やすことも効果的な対処法です。

生活指導

お薬の治療と並行して、原因物質の除去や日々の生活習慣の見直しを行うことも、症状を落ち着かせるための重要なステップです。

規則正しい生活習慣

十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事で、体の基礎的なコンディションを整えます。

ストレスの軽減

趣味や適度な運動など、ご自身に合ったリフレッシュ方法を見つけ、心身の疲労を溜めないようにします。

原因物質の回避

特定の食べ物や環境など、アレルギーの原因となる物質が分かっている場合は、意識して接触を避けます。

丁寧なスキンケア

皮膚を常に清潔に保ち、しっかりと保湿を行うことで、外部刺激から肌を守るバリア機能を高めます。

飲酒・喫煙の制限

アルコールやタバコは血行を変化させ、かゆみや蕁麻疹を悪化させる引き金となるため、できるだけ控えてください。

蕁麻疹の予防・日常ケアについて

蕁麻疹の改善や慢性化を防ぐためには、クリニックでのお薬の治療と併せて、ご自宅でのセルフケアや生活習慣の見直しが非常に重要となります。日常生活で気をつけていただきたい5つのポイントを分かりやすくまとめました。

規則正しい生活習慣

睡眠不足や疲労の蓄積は、体の抵抗力を低下させて蕁麻疹を悪化させる原因になります。毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床して十分な睡眠を確保し、暴飲暴食を避けて栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

ストレスの軽減

精神的・肉体的なストレスは、蕁麻疹を引き起こす大きな要因の一つです。趣味の時間を作ったり、適度な運動を取り入れたりするなど、ご自身に合ったリフレッシュ方法を見つけて心身をリラックスさせることが大切です。

皮膚への刺激を最小限にする

直接肌に触れる衣類やタオルは、チクチクしない肌触りの良い素材を選びましょう。また、熱すぎるお風呂に浸かったり、体を洗う際にゴシゴシと強く擦ったりするのは禁物です。洗浄力の強い石鹸は控え、低刺激性のボディソープをよく泡立てて優しく洗ってください。

こまめな保湿ケア

皮膚が乾燥すると肌本来のバリア機能が低下し、少しの刺激でもかゆみや蕁麻疹が出やすくなります。特に入浴後は肌が乾燥しやすいため、すぐに保湿剤を塗布してしっかりと潤いを閉じ込めましょう。

原因物質の特定と回避

アレルギー検査などで原因となる物質が特定できた場合は、日常生活の中で可能な限りそれらを避けることが基本です。ハウスダストやダニが原因の場合は、こまめな掃除や換気、寝具の洗濯を徹底しましょう。

蕁麻疹の原因はダニ?

アレルギー性鼻炎や気管支喘息の原因としてよく知られる「ダニ(ハウスダスト)」ですが、実は蕁麻疹を引き起こす原因になることもあります。

ダニは高温多湿の環境を好み、私たちが毎日使う布団やカーペット、畳、ぬいぐるみなどに多く潜んでいます。生きているダニだけでなく、その死骸やフンに触れたり吸い込んだりすることでアレルギー反応が起こり、皮膚に強いかゆみを伴う蕁麻疹が現れるのです。

「もしかしてダニが原因かも?」と疑われる場合は、ご自宅で以下の4つの対策を心がけてみてください。

寝具の徹底ケア(布団・枕など)

ダニを通しにくい高密度織りのカバーを使用し、こまめに洗濯をしましょう。また、週に一度は天日干しをするか、布団乾燥機を活用してダニが嫌う「乾燥した状態」を作ることが効果的です。

舞い上げない丁寧な掃除

ダニの死骸やフンが空気中に舞い上がらないよう、掃除機はゆっくりと時間をかけてかけましょう。ダニの温床になりやすいカーペットや畳は特に念入りに行い、掃除機の後に拭き掃除を併用するとさらに除去率が高まります。

こまめな換気と湿度コントロール

ダニの繁殖を抑えるには、室内の湿度を下げるのが一番の近道です。こまめに窓を開けて換気を行い、梅雨の時期や湿気がこもりやすい雨の日には除湿機を積極的に活用しましょう。

空気清浄機の活用

空気中に浮遊してしまったハウスダストやダニの死骸を取り除くために、空気清浄機を稼働させるのも有効な手段です。微細な粒子もしっかりキャッチできる「HEPAフィルター」を搭載したモデルがおすすめです。

これらの環境対策をご自宅で徹底しても蕁麻疹が治まらない、または何度も繰り返してしまう場合は、無理に様子を見ず、お早めに医療機関をご受診ください。当院では、ダニアレルギーであるかを調べる検査や、症状を速やかに鎮めるための適切な治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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