乾癬
乾癬について
乾癬とは、皮膚の細胞が通常よりも非常に速いスピード(正常な状態の約10倍)で生まれ変わってしまうことで起こる、慢性の皮膚疾患です。過剰に作られた皮膚が積み重なり、厚く盛り上がって表面が白くカサカサした状態になります。なお、乾癬は免疫系の異常が関わっており、周囲の人に感染することはありません。
乾癬の原因
はっきりとした単一の原因は特定されていませんが、もともとの遺伝的な体質に、さまざまな環境要因が加わることで発症すると考えられています。
内的要因
糖尿病、脂質異常症、肥満などの代謝異常や免疫バランスの乱れ。
外的要因
ストレス、不規則な生活、喫煙、飲酒、特定の感染症、薬剤の影響など。 これらの要因が重なり合うことで、体内の免疫システムが自分の皮膚を攻撃し、炎症を引き起こしてしまいます。
乾癬の治療
乾癬の治療は、症状の程度やライフスタイルに合わせて「炎症を抑えること」と「皮膚の入れ替わりを正常に近づけること」を目標に行います。
外用療法(塗り薬)
炎症を鎮めるステロイド軟膏や、細胞の増殖を抑えるビタミンD3軟膏が基本となります。
内服療法(飲み薬)
全身の炎症を抑える免疫調節薬や、ビタミンA誘導体などを用います。
光線療法(紫外線療法)
患部に特定の波長の紫外線を照射し、過剰な免疫反応を抑制します。
生物学的製剤(注射薬)
重症の場合や関節炎を伴う場合、炎症の元となる物質を直接ブロックする最新の注射薬による治療も検討されます。
乾癬の予防・日常のケアについて
症状の悪化を防ぎ、良い状態(寛解)を保つためには、日々のセルフケアが非常に重要です。
保湿の徹底
皮膚が乾燥すると刺激に敏感になり、症状が悪化しやすいため、こまめに保湿剤を塗りましょう。
物理的刺激を避ける
患部をこすったり、無理にカサブタを剥がしたりしないでください(ケブネル現象により、刺激を受けた場所に新しい疹ができることがあります)。
生活習慣の改善
バランスの良い食事、十分な睡眠、禁煙を心がけ、メタボリックシンドロームの予防に努めることが大切です。
日光浴
適度な日光浴は症状を和らげることがありますが、日焼けしすぎないよう注意が必要です。
乾癬の初期症状
乾癬は、最初は「ただの湿疹」や「フケ」と見間違われることが多い疾患です。以下のような兆候がある場合は早めの受診をお勧めします。
境界のはっきりした赤み
皮膚が赤く盛り上がり、周囲との境目がくっきりしている。
銀白色の鱗屑(りんせつ)
赤い発疹の上に、銀白色の細かいフケのようなカスが付着し、ポロポロと剥がれ落ちる。
爪の変化
爪に小さな凹みができたり、爪が分厚く浮き上がったりする(爪乾癬)。
頭皮のかたまり
頭皮に厚いかさぶたのような赤みが生じ、フケが異常に多く出る。
